日本の都市伝説・
口裂け女――ひとつの噂で、日本中が集団下校をした年
1979年、ひとつの噂が数か月で日本中に広がり、集団で下校する小学校まで出ました。インターネットも携帯電話もない時代の話です。
記録の概要
夕暮れ、マスクをした女が子どもを呼び止めて聞く。「わたし、きれい?」。きれいと答えるとマスクを外し、耳まで裂けた口を見せる。逃げても、驚くほど速く追ってくる。
この噂は1978年の暮れから1979年にかけて、全国で一気に流行しました。岐阜県から広まったという説が有力で、地元紙の報道が最初期の記事の一つとされています。
1979年の春から夏にかけては、新聞や週刊誌も取り上げ、子どもを集団で下校させたり、見回りをしたりする地域が出ました。撃退法として「ポマードと3回唱える」「べっこう飴を渡す」といった話まで生まれています。
ここからが、記録に残っていない部分
噂は夏を過ぎると、急に下火になりました。広がるのも速く、消えるのも速かったのです。
子どもたちの口伝えだけで、なぜここまで広まったのか。塾通いで帰りが遅くなった子どもの不安が噂に形を与えた、という見方もあります。
では、最初にこの話をしたのは誰だったのか。それを示す記録はありません。
記録の仕分け
記録に残っていること
- 1979年に全国で流行したこと
- 新聞・週刊誌が報じ、集団下校や見回りをした地域があったこと
説の部分
- モデルになった実在の女性がいるという説
否定・未確認
- モデル説を裏づける記録は見つかっていない
- 最初の発信源はわかっていない
出典
- 1978年12月〜1979年の新聞・週刊誌報道(岐阜県の地元紙ほか)
- 各地の教育委員会・学校の対応を伝えた当時の報道