月面着陸捏造説――「人類は月に行っていない」はどこから来たのか
1969年7月、人類は月を歩いた。少なくとも、記録ではそうなっています。それでも「あれはスタジオで撮られた」という話は、半世紀たった今も消えていません。
この記録の結論
- わかっていること
- アポロ計画は1969〜72年に6回の月面着陸を行い、約382kgの月の試料を持ち帰りました。宇宙飛行士が置いた反射鏡は今もレーザー測距に使われ、2011年には月を回る探査機が着陸地点の足跡や月面車の轍を撮影しています。
- わかっていないこと
- 捏造を示す記録は見つかっていません。この話で答えが出ていないのは、反証が積み上がっても、なぜ説が消えないのかという点のほうです。
説はどこから来たのか
「人類は月に行っていない」という主張を一冊にまとめた最初期の人物が、ロケットエンジンの会社で技術文書を書いていたビル・ケイシングです。1976年、彼は『われわれは月に行かなかった』を自費出版しました。月面の写真に星が写っていない、着陸船の下に噴射でできたはずのくぼみがない。こうした指摘は、このころから繰り返されています。
2001年2月にはアメリカのFOXテレビが特番でこの説を取り上げ、捏造説は一気に知られるようになりました。
「旗がはためいている」という疑問
空気のない月で、旗が風に揺れているように見える。捏造説でいちばんよく挙がる疑問です。
宇宙飛行士は、旗の上辺を横棒で支えて広げていました。宇宙開発史の研究者ロジャー・ローニアスは、立てたときに手を離した勢いで旗が動き続けたのだと説明しています。横棒をうっかり曲げてしまったことも、写真で布が波打って見える原因になりました。
今も確かめられる記録
アポロ11号・14号・15号の宇宙飛行士は、月面にレーザー反射鏡を置いてきました。地球から光を当てると、まっすぐ送り返してくる装置です。半世紀たった今もデータを出し続けている、ただひとつのアポロの月面実験として知られています。
持ち帰った石や砂、土の柱は、6回の着陸で約382kg、2,200点にのぼります。NASAの保管施設は今も、毎年400点近くを研究や教育のために貸し出しています。
2011年9月には、NASAの月周回探査機LROが、ふだんより低い高度約21km(13マイル)まで下がって、アポロ12号・14号・17号の着陸地点を撮影しました。写真には、着陸船のまわりの踏み跡や、17号の月面車が残した2本の轍がくっきり写っています。
記録の仕分け
記録に残っていること
- 1969〜72年にアポロ計画で6回の月面着陸が行われた
- 約382kgの月の試料が持ち帰られ、今も研究に貸し出されている
- 月面の反射鏡は今もレーザー測距に使われている
- 2011年、探査機が着陸地点の踏み跡と轍を撮影した
説の部分
- 月面着陸はスタジオで撮影された
- 旗の揺れや写真の不自然さが捏造の証拠だ
否定・未確認
- 旗の揺れは、横棒と立てたときの勢いで説明されている
- 捏造を裏づける記録は見つかっていない
よくある質問
- アポロの月面着陸は本当にあったの?
- 記録ではそうなっています。持ち帰った約382kgの月の試料は今も研究に貸し出され、月面に置いた反射鏡にはいまもレーザーが当てられています。
- 月の旗が揺れて見えるのはなぜ?
- 旗は上辺を横棒で支えて広げられていました。立てたときの勢いで動き続けたことや、横棒が曲がって布が波打ったことが理由として説明されています。
- 月に人が行った証拠は今も見られる?
- 見られます。2011年にNASAの探査機LROが撮影した着陸地点の写真には、宇宙飛行士の踏み跡や月面車の轍が写っています。